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【三国の研究機関】シリーズ3:韓国-成均館大学校東アジア学術院


1.貴研究機関の特色は何ですか?

成均館大学校東アジア学術院は、1958年に設立された大東文化研究院を拡大・改編し、2000年3月に発足しました。当学術院は、21世紀という新しい時代の文明的転換に対応した、未来創造的な融合・複合人材を養成するための新しい形の研究機関です。また、研究と教育に情報を結合させ、東アジアに新しい見解と研究方法で接近することにより、地域学の限界を超え、世界の主流な学界とコミュニケーションを図ることを重要な目標としています。このために、当学術院内に教育機能である学部と大学院課程を開設し、教育と研究成果を結合する一方、朝鮮時代の「成均館」の図書館だった「尊経閣」を拡大・改編し、研究と教育に情報を結合させて研究者に提供する仕組みを構築しています。つまり、研究と教育、情報の有機的結合による研究方法の革新と、東アジア学の新しい可能性、そしてこれを基盤とした韓国学の革新と東アジア学のグローバル化を目指しています。 

当学術院の傘下には、東アジアの儒教文化を重点的に研究する儒教文化研究所、韓国学を基盤として韓国学のグローバル化を目指す大東文化研究院、中国の伝統を基盤として現代中国の動向を研究する成均中国研究所、現代韓国と韓国人の社会調査を通して韓国の動態を分析するサーベイリサーチセンターなどの研究機関があります。

教育機能としては、韓国学のグローバル化のために学部に韓国学連携専攻を設置しており、新しい大学院を摸索するために大学院には東アジア学科と韓国古典翻訳協同課程があります。そして、正規課程以外に世界の韓国学専攻者のために学術文の書き方と漢文を教える国際韓国学センター(IUC)を設置しています。

さらに、情報機能として尊経閣があり、東アジアの古文献と古文書を研究者に提供し、研究者が簡単にアクセスできるように多様な形態のデータベースを構築して学界に提供しています。東アジア学術院の研究成果を学界に提供するために、今年で創刊以来100号になる「大東文化研究」や、英文学術誌「Sungkyun Journal of East Asian Studies」(引用文献データベースであるSCOPUS及びA&HCI登録)を刊行しています。この他に、国内外の名門教育研究機関(海外12ヵ国57機関、国内10機関)との戦略的学術ネットワークを構築しています。

 

2.貴研究機関における日中韓に関する研究にはどのようなものがありますか?これまでの成果について教えてください。

代表的な協力関連事業として、大学院で養成した人材を日中の大学に進出させ、交流や協力を積極的に拡大させている点を挙げることができます。実例として、東アジア学術院の東アジア学科で博士学位を取得した人材が日中の大学や研究機関に在籍しており、彼らが三国交流と協力のかけ橋の役割を果たしています。東アジア学術院で修士と博士を取得した約20人余りの人材が、中国の中国社会科学院や南京大学、日本の東京大学や八洲学園大学などの大学や研究機関で活動しています。彼らの活動は新しい東アジア学の機能性を高め、将来的に東アジア三国との学術的交流や人材ネットワークの構築に寄与することでしょう。 

また、当学術院は、長期的な視野でもって日中の大学や研究機関との日常的な交流を通じ互いの学術的アジェンダについて議論し、体系的な協力関係を構築しています。中国の場合、中国共産党中央党校国際戦略研究所や、北京大学政府管理学院、中国社会科学院歴史研究所、復旦大学文史研究院、南京大学域外漢籍研究所などを挙げることができ、これらの機関とは定例的な学術会議を通して相互協力しています。一方、日本の場合、2003年から東京大学東洋文化研究所と京都大学人文科学研究所などと、年1回持ちまわりでソウル、東京、京都などを往来しながら東アジア学関連の学術会議を開催しています。このように、三つの大学研究機関の研究者が討論を通じ提示したアジェンダをもとに、定期的な学術会議を開催することにより、学問の発展とネットワークの強化に大きく寄与しています。

尊経閣は、朝鮮時代の成均館内にある尊経閣の歴史性を継承し、当学術院内に設けられた資料情報センターであると同時に、研究や教育活動を直接支援している東アジア専門図書館です。尊経閣には、宝物級の資料7点を含む古文書15万点余りが所蔵されており、所蔵資料をデータベース化してデジタルシステムを構築し、これを基盤として日中の様々な専門機関と活発に交流しています。特に、利用者が入手したい資料を相互に提供し合う協定を締結して協力を強化しており、また、電子イメージや実物図書、資料を伝達するサービスもおこなっています。その結果、ここ10年間で合計1,559件の交流がありました。尊経閣は、日本や中国の機関である上海図書館、清華大学、中国国家図書館、香港科学技術大図書館、日本国会図書館などと協定を結んでいます。

また、東アジア学術院は人的交流分野においても活発に交流してきました。東アジア学術院所属の教授が、三国の大学や研究機関の招請を受けて特別講義やセミナーに参加したり、逆に東アジア学術院で中国の北京大学、清華大学、復旦大学、中国社会科学院、日本の東京大学、京都大学、名古屋大学から教授や著名人を招請し、特別講義を開催してきました。このような研究者間の交流を通じ、国を越えた学問共同体の意識を次第に強めつつあります。この他にも、東アジア学術院は、日中韓の大学交流事業であるキャンパスアジア・プログラムにも積極的に参加し、中国の吉林大学や日本の岡山大学などと、学生間はもちろん研究者間の交流を進め、相互に学位授与するデュアルディグリー制度を定着させるために努力しています。

 

3.三国協力は今後どうあるべきで、どのような研究が必要とお考えになりますか?貴研究機関における今後の研究計画を教えてください。また、そこで日中韓三国協力事務局(TCS)に求められる役割とは何でしょうか?

東アジアの三国は、長い歴史を経て関係を結んできました。現在においても地域内の交流と協力は必須です。三国が望もうが望むまいが、相互交流は知らず知らずに行われており、これはどのような形であったとしても今後も続いていくことでしょう。したがって、三国研究機関との相互協力はより一層必要だと言えます。ここで重要なのは、三国が「何を」交流し「如何に」協力するかということです。三国協力において、政治的イシューを前面に立てて交流することは基本的に望ましくありません。このような交流は現実的にも続けることが非常に難しいでしょう。そのため、一歩ずつ進もうとする姿勢がまず必要です。このとき、学術的な接近を通じた持続的な交流は、しっかりとした土台構築のきっかけとなります。これを見据えた長期的な見識でもって互いに共感できる学術的アジェンダを発掘し、交流するプロジェクトの企画が必要です。学術交流もそのレベルは様々です。キャンパスアジア・プログラムのような大学と大学生レベルの交流と協力も存在し、各大学と研究機関との実質的な協力のために共同の関心事を学術の場で議論しなければならない場合もあります。事案によっては、各研究機関の学者が学術会議を通して定期的な交流をすることも必要です。このために東アジアにある三国の大学や研究機関が共同のテーマを発掘し、定期的な学術フォーラムを開催する方式は、有効な方法でもあります。これは、単純な人的学術交流を超え、最終的には学術共同体を通した機関共同体の意識を形成することにつながるからです。 

このような学術共同体を進めるにあたり、機関同士の実質的な交流が実現する具体的な努力と方案のための企画をTCSに要請したいと思います。このような協力方案のための企画は、三国の専門家の諮問を受ける方法もあるでしょうし、TCSが外部から具体的な企画を求める方法もあるでしょう。TCSには、三国の研究機関や所属学者が協力・交流できるような行政力と企画力が必要で、それが実現されるように実質的なかけ橋の役割を果たすことを期待します。



진재교(陳在敎)

東アジア学研究者。1984年成均館大学校を卒業、1992年、同大学院で博士学位を取得。1995年、韓国・慶北大学校の教授を経て、1998年から成均館大学校の教授。その後、成均館大学校師範学科長、大東文化研究院長を経て、現在、東アジア学術院院長を務める。韓国漢文教育学会会長とウリ漢文学会会長も兼任。 

 

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